心の病を改善する精神科医

精神科の医師とは、どのような職業なのでしょうか。
ストレスの多い現代で生きる社会人の中で、よくある問題の一つに心の病があります。これは、仕事や人間関係を原因としたストレスから起こるものです。
その中でも会社に出社できなくなるほどの強い症状が出る場合もあり、この症状は適応障害と呼ばれています。精神科の医師という職業は、このような心の病に対応するため、重要な役割を担っています。

適応障害の症状には、 不安・恐怖感・焦燥感からくる動悸や吐き気・頭痛などの身体症状、そして、絶望感・涙を流すなどのうつ症状などがあります。さらには過剰な飲酒や無謀な運転、時には喧嘩をするなど、行動面に問題が出る場合もあります。ストレスの原因が明らかなことが、適応障害の特徴です。

精神科の医師は、このような症状を改善するために患者に対しアドバイスを行います。
まず、体調を回復させるため、環境を調整するようアドバイスを行います。会社が原因の場合、仕事を休むよう促したりします。
次に、認知行動療法を行います。これは、ストレスの原因と向き合い何が問題なのか、どうしたいのかなどをノートに書きだして洗い出し、自分自身の考え方や行動パターンに気づかせ、そのパターンを変えていくよう導く手法です。
また、必要に応じて薬物療法が行われることもあります。
このように精神科医は、患者の気持ちをヒアリングし、状態を観察しながらアドバイスを行っていきます。

精神科医師になるには、大学の医学部で学び、国家試験に合格して医師免許を取得する必要があります。病院の精神科や障害者福祉施設など、活躍の場は多いため、やりがいのある職業といえるでしょう。